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防音性能を示すNRRの評価方法

個人的に調べた内容ですので、不明な点があります。正確な情報はEPA(US Environmental Protection Agency)のサイト等で確認して下さい。

測定は、工業環境をシミュレートした部屋で行います。試験音は9段階の周波数(125Hz, 250Hz, 500Hz, 1000Hz, 2000Hz, 3150Hz, 4000Hz, 6300Hz, 8000Hz)となり、この周波数がそのまま製品のパッケージ等に記載される防音性能となります。

被験者の条件は、測定で発生させるすべての周波数で必要十分な聴力を有すること。また、防音保護具の正しい装着方法を知っており、なおかつ正しく装着できることとなります。

被験者は一つの製品に対して10名です。各周波数に対して3回ずつ行うので一人につき計27回の測定となります。

実際の評価方法は、ある周波数に対して耳に何も装着していない状態での最小可聴値(少しずつ音を大きくして聞こえたポイントでの音量)と、耳せん等の防音保護具を装着した時の最小可聴値を計測します。

NRRはその各周波数の測定結果の差分を利用して、平均値と標準偏差より算出されます。この計算方法の詳細は検索するとすぐに見つかるので、興味のある方は確認してみてはいかがでしょうか。

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新しいNRRが採用される予定です

現在のNRRが採用されたのは1979年になります。さすがに規格として古いためか、製品仕様としての防音性能と実環境での効果との差が大きいという意見も多く、測定方法や防音性能の表記方法が変更される予定です。

大きく異なる点は、以下のようです。

  • 被験者が20名に増加
  • 測定前に装着方法の訓練を受ける
  • 各周波数の測定回数が2回に減少

調べた範囲だとあまり大きな違いには見えません。人間が評価することに変わりがないので、そこまで劇的に精度が向上するようなことはないかもしれません。ただ、防音性能を示す製品パッケージのラベルは実環境に伴ったものに変更される予定です。これまでは、NRRの数値のみでしたが、装着方法や耳との相性等の個人差により、性能の差が発生することが明記される予定です。以下が現行のラベルと新しいラベルになります。

  • 現行ラベル
  • 新しいラベル(予定)

新しいラベルの見方ですが、これまでの一つの数値ではなく防音性能に幅を持たせています。あまり慣れていない80%のユーザに18dB以上の効果があり、慣れた20%のユーザに32dB以上の効果があるということを示しています。一度でも耳せんを使ったことがあれば、うまく装着しないとその時々で防音感覚に大きな違いがあることを経験したことがあると思います。新しいラベルでは、そのような個人差を配慮した表記となりそうです。ノイズキャンセリング・ヘッドホンとイヤーマフは耳せんと異なる表示となるようです。

関連ページ
SNRとNRRとの違い