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イヤーマフの基礎

いわゆる耳あてです。冬の寒い日であればイヤーマフをつけている女の子を見かけるかもしれません。このような感じでしょうか。

Photo by Etsy, Inc

違います。いわゆる防音用のイヤーマフはこういう感じです。

これを見た時になぜか某ドアラを思い出しました。写真の製品は個人的に購入したPeltorのX5Aですが、鏡を見ると人前では絶対に付けたくないと強く思います。

イヤーマフは騒音下の工業現場のために作られたものです。ただ、職業的に関係のない一般ユーザでも簡単に手に入れることができるため、普段の生活に取り入れている方も多くいます。生活騒音もそうですが、試験勉強などの集中したいときに利用されています。

仕組みは至って簡単です。耳あて(イヤーカップ)部分に吸音性の高いスポンジが入っており、それにより外部からの騒音を減衰させます。ただし、耳とイヤーカップとの間を密着させる必要があるため、バンド(ヘッドバンド)の圧力はかなり強いです。音楽を聞くヘッドホン感覚で装着すると驚くかもしれません。構造的にスポンジの厚みやイヤーカップの大きさがそのまま防音性能となります、つまりイヤーカップが大きいほど性能がよいということになりますが、その分重くなるので防音性能と重さとのバランスを考慮する必要があります。

一つ注意しなければいけない点は、イヤーマフはあくまでも聴覚の保護を目的としているので、期待するほど無音にはなりません。さらに低音域に強くないため、足音など床や壁への衝撃音は和らぎはしますが、確実に気が付きます。メーカーも推奨していますが、より防音性能をよくするには、耳せんとの組み合わせがよいと思います。

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イヤーマフのメリットとデメリット

デメリットではありませんが、イヤーマフは消耗品です。とくに耳あて部分のポリ塩化ビニールは使用とともに劣化するので、必要に応じて交換が必要です。メーカーによりますが交換用部品も販売されています。

お手入れの方法ですが、メーカーでは定期的に低刺激性の石鹸と水で洗うよう説明があります。ただ、室内で使う分にはひどい汚れはつかないと思うので、絞ったタオルで拭いて、よく乾燥させる程度でよいと思います。

イヤーマフのメリット

取り付けと取り外しが簡単です。そのため、耳せんのように慣れ不慣れで防音性能が大幅に変わるようなことがなく、誰がつけても安定した防音性を発揮します。耳せんが合わない人にもおすすめできます。

購入前は高価なものかと思っていましたが、生活騒音でストレスをためることを考えると、とりえあず購入してみようと思える値段です。安いものでは¥1,000程度のイヤーマフもあります。

ヘッドホンのようにさっと装着できるので、騒音でうるさくなった時にすぐに対応できます。耳せんのように丸めて膨らむまで待つという時間が不要です。

イヤーマフのデメリット

とにかく一番のデメリットは側頭部への圧力が強いことです。これは頭の大きさにもよりますが、個人的に長時間の装着は無理です。たまに「イヤーマフをしながら朝まで寝れます」という方がいますが、素直にすごいと思います。圧力もそうですが装着した状態だと寝返りがうてないので、就寝時には向かないような気がします。ただ、ヘッドホンで横になれる人なら問題ないかもしれません。

夏場の使用は、密閉状態かつ耳あての部分がビニールのような素材なのでかなり蒸れます。感じとしては密閉型のヘッドホンに近いものがあります。また、慣れれば問題ないのですが、髪の毛が束で挟まると防音性能が落ちるので、髪の長い人は装着に工夫が必要です。

イヤーマフの選び方

イヤーマフのほとんどがフリーサイズです。重量は重いもので約380g、軽いもので約120gと、だいたい250mlの缶ジュース程度の差があります。単純に重いほど防音性能も高いと考えて間違いありませんが、装着し続けることを考えると重さも重要な選択条件となります。NRRやSNRの数値だけで選択すると、重さに耐えかねて使わなくなるかもしれません。

最も重要なつけ心地については試してみるしかありません。頭の形や大きさは人それぞれですので、人の意見はほとんどあてになりません。側頭部にかかる圧力は製品(もっと言えば個体差)により異なります。もし圧力が強すぎて使えないと感じたら、何でもいいので硬い箱等に一晩(かそれ以上)挟んでおけば、バンドが広がり圧力が弱まります。ただし、急に広げると元に戻らなくなる可能性が高いので、ゆっくりと調整する必要があります。

装着方法による分類

耳あて部分が同じでも装着方法により僅かですが防音性能が変化します。その差は小さく、NRR値で1dB程度なので好みで選んでもいいと思います。

ヘッドバンド型
音楽を聞くヘッドホンと同じ形状です。強弾性のステンレス鋼線を利用した圧力で耳を中心とした側廊部をふさぎ防音効果を発揮します。
ネックバンド型
帽子やヘルメットなどと一緒に利用するためのものです。ヘッドバンド型と比較すると重みに弱いため、写真のような調節可能なストラップバンドが付属します。このバンドは薄いので帽子やヘルメットを一緒に装着できます。軽いものであればバンドは不要となり、ヘッドバンド型と比較して髪が潰れないというメリットがあります。ただ、ちょっとだけ横になりたい時には不便です。
折りたたみ式ヘッドバンド型
使用時はヘッドバンド型と同じです。小さく折り畳めるので、いろいろな場所に持ち運んで使いたい人にはおすすめです。
マルチポジション型
ヘッドバンド型とネックバンド型を合わせたようなものです。バンドが回転するので、用途によって装着方法を変えることが可能です。
ヘルメット用
生活騒音を含む一般的な用途では不要なので特に説明はありませんが、見た目の通りヘルメットに取り付けるタイプです。
  • ヘッドバンド型
  • ネックバンド型
  • 折りたたみ式
  • マルチポジション型:1
  • マルチポジション型:2
  • ヘルメット用